足がつることを「こむら返り」と言います。こむら=腓(こむら)=ふくらはぎの筋肉が痙れんする症状を言います。激しい運動中や運動後、睡眠中に起こることが多いとされています。寝ているときにつってしまい目が覚めたという経験のある方も多いと思います。痛みがしばらく続き、しっかり対処しておかないと筋損傷を起こし、繰り返し発生することが多くなります。全身どの箇所にもつるということが起こる可能性はありますが、最もふくらはぎが多いです。
原因として使いすぎが挙げられます。また7つの不足が関連深く、筋力不足・運動不足・水分不足・ミネラル不足・タンパク質不足・熱不足・寝不足が考えられます。どれか一つでも当てはまれば、つる可能性があります。
つってしまった箇所は筋肉が縮みすぎている状態ですので、「強く」「ゆっくり」「時間を長く」ストレッチすることが大事です。これでつった状態からは解放されます。また、残っている硬さやしこりは再発につながります。筋肉が緩みやすい骨の位置へ整えることで自然と筋肉が緩んだ形になっていきます。それと合わせて筋肉をほぐす施術を受けると再発予防につながります。セルフケア・テーピングなどもお伝えしていきます。
ふくらはぎに陥没(くぼみ)(完全断裂)、陥凹(へこみ)(部分断裂)、腫脹(しこり)(微小損傷)が発生します。損傷部位の痛み、内出血、膝の屈伸困難、歩行時痛、片足立ち不可、つま先立ち不可などの症状が見られます。腓腹筋の場合は付着部が膝関節、足関節をまたぐため、運動制限が出ます。ヒラメ筋の場合は膝関節をまたがないため、足関節の運動制限が主になります。
下腿三頭筋は、腓腹筋内側頭、外側頭、ヒラメ筋の3本の総称です。30代以降のスポーツをよくする方に多く見られる症状です。ジャンプやダッシュなどの強い力を繰り返し使う動作が原因となります。腓腹筋内側頭挫傷は発症しやすいスポーツから「テニスレッグ」という別名がつくほど、スポーツでの動作が影響します。
発症しやすくなる要因として筋疲労、寒冷環境、柔軟性不足、ウォーミングアップ不足、走る道が悪い(デコボコなど)が考えられます。伸ばされ過ぎ(過伸展)が発症原因として多いですが、縮み過ぎ(過収縮)でも発症します。こむら返りを繰り返す場合や、もしくは放置してしまった場合に起こりやすいのもこのためです。
下腿三頭筋挫傷が起こったら応急処置として患部を安静・冷却・圧迫・挙上します。RICE処置と言われ、損傷・炎症初期はこの処置を行います。
大抵の場合は微小損傷(第一度)に分類され、手術の必要はありませんので接骨院で施術が可能です。患部に負担をかけないよう身体全体で支えられる位置にズレ・歪みを整え、患部の柔軟性を取り戻す施術を行います。また、患部の保護・支持・回復を促すためにキネシオテーピングを使うことが多いです。スポーツを行っている人は再発の可能性が非常に高いので、再発予防が重要です。慢性的に発症しないようしっかりとメンテナンスをする必要があります。
「肉離れ」と言われた場合、部分断裂(第二度)・完全断裂(第三度)が考えられます。一般的には微小損傷でも「肉離れ」と言われていますが、対処が全く違います。接骨院でも対応可能ですが、部分断裂は程度がひどいと手術が必要なときもあります。状態をしっかりと確認させていただき、そのまま施術するか応急処置をして病院を紹介するかという判断をさせていただきます。完全断裂の場合、手術をした方が圧倒的に早く治ります。肉離れの場合、免荷(体重をかけない)も大事なので松葉杖などを処方されることが多いです。当然、復帰には時間がかかります。
前脛骨筋炎はむこうずねの外側の疲労もしくは炎症で痛みが出ます。挫傷の場合には損傷部位の痛み、腫脹(しこり)(微小損傷)が発生します。他にも圧痛、内出血、運動時痛などの症状が見られ、特に階段や斜面を歩くと痛みが強くなります。痛みが激しい場合、疲労骨折や下腿前区画コンパートメント症候群(前脛骨筋症候群)を疑う必要があります。他の筋挫傷のような部分断裂や完全断裂はあまり見られません。断裂よりも先に他の場所が損傷します。
原因は、階段や斜面などを歩く、走る、ジャンプする、蹴る、登山などでの使いすぎが考えられます。前脛骨筋挫傷の場合は、使いすぎだけではなく、格闘技をしている方にも多く現れます。自分の蹴りで傷めることはもちろんですが、空手などでの受け、いなしなどを繰り返す中で傷めてしまう方がいます。
足首の位置の悪さ、アライメント異常が出ることで痛みを誘発します。足首のつまりが残ることでも回復を遅らせる、再発させることが多いので、足首を含めた下肢全体を整えます。またガニ股、O脚でも前脛骨筋に力が入りっぱなしになり硬くなってしまうので、O脚に伴う上半身の不良姿勢を治すことが必要です。ストレッチやテーピングで早期回復を助けることもできます。セルフケア方法もお伝えしていきます。
運動中や後に脛骨内側の中央から下1/3にかけてズキズキと痛みます。圧痛や運動時痛が出ます。約40%の場合は両側に痛みが発生します。片側のみで出ることもありますが、その場合は下腿部疲労骨折との鑑別をしなければいけません。評価方法として部位で分ける方法があり、疾走型と跳躍型に分かれます。疲労骨折の場合、腓骨側にも痛みのポイントがあります。
疾走型:脛骨内側の足首側、膝側、腓骨下部
跳躍型:脛骨内側の中央前方、腓骨上部
また、シンスプリントの痛みを感じる範囲は10㎝程度と広めなのに対して、疲労骨折の場合は5㎝以下のピンポイントに痛みが出ます。
使いすぎ症候群・オーバーユース障害(Over use)の代表的な疾患です。中高生や運動を再開した人に多いです。言葉通り、使いすぎが問題になります。過度な運動、乱れたフォームでのランニング・ジャンプ動作、固い路面での運動、柔軟性低下、靴選び、扁平足、O脚、X脚などが要因ともなります。下腿骨疲労骨折の好発部位と同様でシンスプリントも疾走型・跳躍型の種類に分けられます。
患部を休めることが一番大事です。ただし復帰後すぐ再発をしてしまう方もいます。そのため使いすぎよりも乱れたフォームが問題になるとミツカル接骨院では考えます。競技中だけでなく、日頃の姿勢の悪さが競技にも影響を出している可能性が高いです。炎症初期は患部を安静・冷却・圧迫・挙上の指示をします(RICE処置)。脛骨内側に付着する後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋などの牽引力で骨膜の炎症が起こるので、緊張を緩和させるために筋肉調整やストレッチ、鍼灸施術を施します。再発予防としてテーピングを貼ったり、セルフケア方法をお伝えしていきます。
発症後、数分~10数分の安静にて軽快していきます。発症時はランニングなどで下腿の疼痛、足が上がらない、筋肉が硬くなる、しびれなどの症状が出ます。見た目上、パンパンに腫れて皮膚に光沢が現れ、ピンク色や赤紫色になってしまいます。ひどい場合には血流障害、神経障害を起こすこともあるため、素早い対処が求められます。他動的に患部の筋肉をストレッチすると強い痛みが誘発されます。
慢性型の原因はコンパートメント内の筋肉の使いすぎ、特に長距離ランナーに多いです。他にも足首・膝・股関節の可動性低下、靴の不適合、疲労骨折、シンスプリントなどの併発が原因となります。急性型では骨折、脱臼、打撲などの外傷が原因になり、迅速な処置が必要になるため手術適応になる可能性が高いです。すぐに救急に行くことをお勧めします。
慢性型の場合は保存療法が可能です。炎症症状を緩和させ、ストレッチ、筋肉調整を行い患部の緊張を緩和させます。可動性が低下した関節の動きを広げ、位置を整えて再発を予防することまで考えて施術をしていきます。またテーピングなどで筋肉にかかる負荷を軽減させることもできます。下半身の関節の可動性の低下に合わせて上半身の関節のアライメント調整として全身的に矯正をさせていただくことが多いです。
足の動脈が狭窄・閉塞して血液(酸素・栄養)を十分に送り届けられなくなってしまい、足先の冷え、筋肉の痛みが発生します。他にもしびれ、歩行時痛、進行すると潰瘍ができ壊死することもあります。また足だけでなく手にも起こることがあります。
進行の程度により4段階に分けられます(フォンティン分類)。Ⅰ度~Ⅳ度まであり、数字が大きくなると重症度が上がります。
Ⅰ度 | 足のしびれ・強い冷えを感じる。皮膚も青白くなる。この病気に気付かないことが多い。 |
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Ⅱ度 | 少し歩いて足の痛み(締め付けられるような痛み)で歩けなくなるが、少し休んで再び歩けるようになる「間欠性跛行」が代表的な症状。腰部脊柱管狭窄症にも同じ症状が起こるため間違いやすい。 |
Ⅲ度 | 足の痛みが強くなる。夜も眠れなくなる夜間痛・安静時疼痛(刺すような痛み)が起こる。足は黒く変色し、深爪や小さな傷が治りにくくなる。 |
Ⅳ度 | 足先に血液が届かなくなり、つま先・外くるぶしなどに傷が治らずただれや潰瘍ができる。壊死が起こり始め、進行すると壊疽を起こし足を切断しなければならない。 |
末梢血管に起こる循環障害です。原因は動脈硬化、血栓、塞栓などが挙げられます。60代男性に多く、一番のリスク要因は喫煙です。生活習慣病をお持ちの方ほど注意が必要で、糖尿病・高血圧症・脂質異常症・高尿酸血症・慢性腎臓病・肥満などが当てはまります。動脈硬化は全身的に進行するため、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などを合併しやすい病気です。
腰痛の代表的な症状の一つで下肢に神経痛、しびれが出るのが特徴的です。坐骨神経が腰から脚の後面を降りてきて膝裏で枝分かれしていきます。脛骨神経(内側・後ろ側)と総腓骨神経にもう一度枝分かれして浅腓骨神経(外側)と深腓骨神経(前側)になります。それぞれ受け持つ領域が異なる為、痛みやしびれの範囲が違います。
原因は腰痛のページでも説明している、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などです。下腿部に痛みやしびれが出ますが、大元の「腰」を正す必要があります。
腰や臀部にある神経の圧迫や牽引をなくすために、位置や隙間を元の位置に正します。痛みやしびれが元になって下腿の神経周囲の筋肉に緊張が強く出てしまうことがあるので、そういった状態の改善に努めます。痛みやしびれの出る場所は腰痛のページもチェックしてくださいね。
肺血栓塞栓症、旅行者血栓症、ロングフライト症候群とも呼ばれ、足や膝の腫れが起こります。その後にふくらはぎや太ももに激痛が起こります。重度になってくると呼吸の苦しさ(呼吸困難)、胸の痛み、不安感、冷や汗、失神などが起こります。
飛行機・列車・オフィス・会議・劇場・映画館などの狭い座席で長時間同じ姿勢でいると、血流の悪さから血管の中に血の塊ができてそこから痛みや腫れを生じることがあります。
深部静脈血栓症でできた血の塊がはがれ巡り巡って肺の血管に詰まると、胸の痛み・呼吸が苦しいなどの症状が発生します。
航空機内では乾燥、低気圧での脱水のしやすさから血液の粘度が上昇してしまう条件が重なります。
水分不足、アルコール、喫煙などもリスクを高めてしまう要因です。
静脈血栓の形成には、「血管が傷ついた状態」「血液が固まりやすい状態」「血液の流れが良くない状態」の3つの要因が考えられます。
危険因子として肥満・下肢静脈瘤・高齢者・心臓または肺での既往症・妊娠中などが挙げられます。気を付けましょう。
航空機内などは環境的な要因などがありますが、血液の流れが良くない状態などは対処ができます。足周りの血流循環が悪い状態ならば、骨格矯正をし、全身の血流を上げることで改善することができます。下半身の血流の悪さなどは座っている時間の長さからくる不良姿勢も関連してきます。足をほぐすことも大事ですが、全身から局所への改善をしてあげることでより効果を実感しやすくなります。
足の血管の病気です。ふくらはぎの静脈がこぶ(瘤)状に膨らんでしまう状態です。良性の病気で急に悪化はしません。軽症では足の血管が浮き出て見える、つり感が出るか、無症状であまり気がつきません。主に足のだるさ、むくみが慢性的に起き、日々悩みが残ることで気が付きます。足に血液がたまる午後から夕方に強く起こり、ほてり、むずむず、不快感、かゆみなども出ます。まれに湿疹、潰瘍ができ重症化します。こぶの大きさなど見た目でわかるので、大きくなってしまったら早めに病院で受診してください。
40代以上の女性に多く見られ、年齢と共に増加しますが、15歳以上であれば発症の可能性があります。女性で出産経験のある方2人に1人は発症する可能性があるという統計も出ています。原因は静脈の逆流防止をする弁が壊れることです。また家族でこの病気をしている方がいると90%は遺伝的に発生するそうです。長時間の立ち仕事も要因の一つです。「遺伝」「出産」「立ち仕事」の3つがキーワードとなります。
一度発症すると自然治癒は望めません。進行性ですのでできる限り進行しないように対処することが大事です。ふくらはぎの血流が悪くならないよう、全身的に局所的に身体の血流を良い状態に保ちます。立ち仕事でふくらはぎの血流が悪くなるのは姿勢の問題があります。産後の骨盤のずれを残したままというのもふくらはぎの血流には悪影響です。軽症の内からご相談いただければ、セルフケアも含め、進行予防をしっかりとお伝えしていきます。状態にもよりますが、ステージ1~3までは対応できます。ステージ4、5になると専門医の指示を仰ぐことをお勧めします。
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ミツカル接骨院 院長
𠮷原 幸治
高校卒業後、柔道整復師国家試験に合格し、1年後にははり師・きゅう師国家試験に合格。有限会社やまがたに入社後、静岡県東部の接骨院、静岡市内接骨院に勤務し学園みずほ接骨院で院長を経験後、2022年3月にMARK IS 静岡にてミツカル接骨院を開院。現在は接骨院にて接骨業だけでなく鍼灸施術、ちびっこはり(子ども向け)と幅広い施術を行う。
保有資格
柔道整復師、はり師・きゅう師、認定卒後臨床研修指導柔道整復師認定、ちびっこはり勉強会修了
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