肘の外側で痛みが発生します。手首を捻る動きや、物をつかんで持ち上げる動き、雑巾しぼりなどの動きで痛みが出やすいです。安静にすればそれほど痛みが出ないことも特徴です。前腕(肘より下)の手の甲側の筋肉がパンパンに硬くなって痛みや圧痛を伴います。次第に肘の外側(上腕骨外側上顆)に痛みが出るようになります。安静にしていても痛みが感じられる場合は、熱感もあり炎症が強くなっている可能性があります。時にはコップも持てないほどの非常に強い痛みになり日常生活に支障をきたすこともあります。
テニスのバックハンドを繰り返し行うことによって起こるのが上腕骨外側上顆炎、通称「テニス肘」です。日常生活の中でも手首を反らす仕事や家事などで使いすぎてしまうと発生します。調理の仕事でフライパンや中華鍋を振るう方、指を伸ばす、反らす頻度の多い方にも起こりやすいと言われています。特に中指を伸ばすことが多くなると発生しやすいです。痛みの一番の原因筋と言われているのが短橈側手根伸筋です。第3中手骨に付着するので中指を反らす動きに大いに関連があり、パソコン使用中などもよく使われます。発生頻度としては肘内側よりも外側が多いです。伸筋の力が弱いため、耐久性に欠けるからだと思われます。また、共同付着部で7本の筋肉がくっつく箇所なので、より負担がかかりやすいことも原因かもしれません。
上腕骨外側上顆に付着する筋肉7本 | 短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、肘筋、総指伸筋、小指伸筋 |
---|
テニス肘の施術では、肘の捻れが強くなった原因を追うことが重要です。多くの場合、発症する前から姿勢の崩れが存在します。猫背から肩の捻れ、肘の捻れと繋がっています。姿勢を先に改善させることで腕にかかる負荷を減らし、可動域が広がります。動きが大きくなれば筋肉の柔軟性が戻り、緊張が取れやすくなります。局所の負担を減らすために全体の動き、上肢の動きを整えることが重要です。痛みが激しい場合は鍼施術をすることで回復を早めることができます。また、テーピングやストレッチなどで日頃の負荷を軽減させながら、再発予防や悪化予防を行うことも可能です。お困りの際は悪化する前にご相談ください。
肘の内側で痛みが発生します。手首を内側に捻る動きや強く握ったときなどの動きで痛みが出やすいです。野球での投球の繰り返しや、ゴルフのスイング等の際に、手の力で打ってしまう初級者によく見られるため、「野球肘・ゴルフ肘」と言われます。また、テニスのフォアハンドを繰り返し使う方にも発生するので、「フォアハンドテニス肘」と言われることもあります。手首をよく使う家事や、パソコンでのデスクワーク、力仕事でも発症するため、スポーツをしていない方にも身近な疾患です。安静時に痛みはほぼありませんが、炎症が強くなると安静時にも痛みが出ます。
原因は使いすぎです。握力や手首を曲げる力を強く働かせると、上腕骨内側上顆炎、通称「野球肘・ゴルフ肘」が発症しやすくなります。野球やゴルフ、テニスなどのスポーツはもちろん、料理や農作業など、繰り返し動作が多い場合も発症します。特に橈側手根屈筋は大きな負担を受けます。手首は返す力よりも曲げる力の方がはるかに強いため柔軟性が失われやすく、柔軟性が低下すると刺激に弱くなり発症リスクが高まります。共同付着部として5本の筋肉が接合する部位でもあるので負担が大きいことも考えられます。手首を頻繁に使う方は特に注意が必要です。肘の外側より内側は痛みの発生頻度は低いと言われています。
上腕骨内側上顆に付着する筋肉5本 | 橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長掌筋、円回内筋、浅指屈筋 |
---|
肘の内側にかかる牽引力・捻る力により筋肉に負担がかかり、本来の肘の曲げ伸ばしの動きに加えて横の動きが入ってくることで、肘の骨は正しい軌道で筋肉を縮ませることができません。さらに強い力がかかれば肘の動きは元のままとはいかなくなります。まずは肘が正しい軌道で動かせるようにし、体幹の使い方が崩れて腕だけの力に頼っている状態から抜け出す必要があります。しっかりと全体を整えてから肘周りをほぐしていきます。痛みが激しい場合には鍼施術などで痛みを早く引かせることが大事です。予防として日頃のストレッチやテーピングで対処できる方法をお伝えしていきます。
この疾患は症状がほとんどありませんが、段階的に進行する疾患です。様々な分類があるため、以下で説明します。
グレード1 | 軟骨の軟化。軟骨表面の損傷はありません。 |
---|---|
グレード2 | 病変部は安定しているが、軟骨表面に一部亀裂が見られます。 初期(透亮期)9才~13才:病巣部の骨吸収が生じ、骨量低下した状態が特徴で、この時期に発見して適切な対応をすることが重要です。痛みや違和感を訴える選手もいますが、多くは痛みを訴えません。 |
グレード3 | 病変部は不安定で遊離しかかっている状態です。 中期(進行期・分離期)11才~14才:病巣周辺に軟骨仮骨板が出現します。骨端線(骨の成長をさせるところ)が閉じていない若い内は血流量が豊富で治りやすく、閉じると血流量が低下し治りづらいと言われています。修復する可能性を保つことを第一に考えると、症状を悪化させないために腕を使うスポーツの禁止が必要です。 |
グレード4 | 病変部は遊離体となり、骨軟骨欠損となっている状態です。 終末期(遊離体期)12才~17才:下骨表層の骨が母床から遊離しており、これは元に戻りません。遊離期には病巣だけでなく、関節の様々な部分に変形をもたらし、最終的に関節変形となります。肘が曲がらない、伸びないなどの症状が出現し日常生活に影響を及ぼします。 |
原因は不明ですが、野球人口が多いことと発症例が多いことから「外側型野球肘」と呼ばれます。体操やサッカーでも発症することがあり、特定のスポーツに限定される疾患ではありません。遺伝的要因も考えられますが、くり返しの負荷がかかるなど使いすぎが原因と考えられています。
診断を確定させるには整形外科でのレントゲン、MRI、CT、超音波検査などが必要で、進行度を正確に判断するには重要な検査です。これらの検査は整形外科でなくては受けることができず、診断もミツカル接骨院では行うことができません。そのため整形外科への受診を勧めることがあります。しかし、どのグレードでも症状が全く無い場合もあり、グレード4の終末期でも手術をせずに様子を見ることもあります。フォームや姿勢の改善、使用頻度を抑えるなどをすれば、90%以上の場合に改善が見込まれる疾患です。手術が必要な事例は多くありません。早期に相談していただくことが早期回復に繋がります。
幼少期のお子様が突然肘を痛がり出したときは、肘内障の疑いがあります。痛がって曲げなくなったり、全く動かさなくなったりします。お子様が訳も分からず泣いているのを見て、何が何だか分からなくなってしまう親御さんもいるかと思います。患肢をダランと垂らして曲げようとせず、触れようとすると嫌がります。痛み以外の炎症反応(腫れ・熱感・発赤)は見られません。
など、ちょっとしたきっかけで発生します。成長過程で骨格ができあがると次第に無くなっていきます。
施術で、肘の位置を正すアライメント調整を行うことで、すぐに痛みは引き動かせるようになります。ケガの際に行う応急処置は必要ありません。もしお子様が肘内障になってしまったとしても、落ち着いて接骨院に連れて来て下さい。肘内障になる子は繰り返し発生する可能性が非常に高いですが、また起こってしまっても慌てずに処置すれば元通りに治ります。腕を強く引っ張ったりしないよう注意すれば問題ありません。後遺症の心配は無いと言われています。またこの疾患ではレントゲンでの撮影に異常は見られません。(靱帯は写りません)
尺骨神経麻痺が起こり、様々な症状が起こります。
など様々な原因があります。滑車上肘靱帯を尺骨神経が通る箇所が肘部管です。末梢神経障害の中で尺骨神経麻痺は二番目に多いと言われています。
初期は安静にしていれば痛みはありませんが、動かし始めの痛みが出ます。また、動かしている最中は良いのですが、動かした後にも痛みが出ます。変形が進行すると、安静時でも痛みを感じたり(関節の運動障害)、ある角度で動かない状態になり、それ以上動かすと激痛が走ったりします(可動域制限)。進行し変形が出てくると神経が圧迫され、手のしびれや筋力低下を出すこともあり、その状態になると、肘部管症候群を発症しています。筋肉が萎縮してしまい指の曲げ伸ばしすら難しくなります。
原因は使いすぎです。発症する年代は50~60代の方が多いです。肘に負担がかかる期間が長く続くと、関節軟骨がすり減り骨が変形していきます。ケガの経験がある方は年齢に関わらず発症することがあります。激しいスポーツ(野球・テニス・柔道など)や、重労働(重い物を運ぶなど)をされている方は要注意です。
肘の使いすぎで負担がかかっている場合、その負担を軽減することが重要です。負担のかかかる「肘の使い方の悪さ」から改善できるよう施術していきます。肘に負担が少なく効率よく力を伝えるために、体幹がうまく使えていることも重要です。野球のピッチャーも下半身や体幹の強化はよく言われますが、これは日常生活でも同じことが言えます。運動不足による体幹の硬さや下半身の筋力低下があると、肩が上がらない、回らないという問題が出てきて肘に負担がかかります。肘の負担を減らすために、まずは全体の動きを良くして局所の負担を軽減させます。矯正で骨の位置の改善から始めて、ほぐしで筋肉の痛みや緊張の緩和、鍼施術にて神経の活性化をし、動かしやすさや回復のしやすさを向上させます。変形したものを元の状態に戻すことはできませんが、動きや痛みを改善させることができます。諦めずに相談してください!
一番多い肘関節後方脱臼の主な症状として、肘の痛み・腫れ・関節部の変形・肘の曲げ伸ばしができない等があります。周囲の靭帯が損傷をして重い症状が出るときは立っていられないほどの激痛が走ります。骨折を合併していない単独発生の肘関節脱臼は整復すればすぐに痛みが和らぎますが、前腕両骨脱臼がほとんどで単独脱臼は稀です。脱臼した方向で最も多いのが後方脱臼(約90%)。他は少ないですが、子どもでの発生が見られやすいと言われていて、前方脱臼・側方脱臼(外側型・内側型)、分散脱臼・開排脱臼(前後型・側方型)があります。
転倒時に腕を伸ばしたまま手を付くことで発生します。外傷性の原因で発生することが多く、スポーツ中の衝突、バイク事故での転倒・転落などで起こることが多いです。頻度としては肩関節脱臼に次いで多く、その中でも前腕両骨後方脱臼が大部分を占めます。青壮年に好発します。単独脱臼の場合は骨折などの合併がみられることもあります。
応急処置として整復(元の位置にはめ込む)はしますが、脱臼が起こった場合は原則としてすぐに病院を受診してください。後方脱臼は尺骨鉤状突起骨折を合併しやすく、また後方脱臼は見た目上わかりやすいですが、骨折の場合はわかりにくいため注意が必要です。レントゲンが取れるようすぐ整形外科を受診する必要があります。肘の関節は靭帯、血管、神経が通る道筋ですので後遺症として残るものも非常に多くあります。そうならないためにも何か異変を感じたらご相談ください。お子様の場合、12歳以下では脱臼よりも骨折の頻度が多いと言われています。万が一疑われるような状況があったら脱臼か骨折かはっきりさせるために、まずは整形外科を受診しましょう。
お問い合わせはこちら
ミツカル接骨院 院長
𠮷原 幸治
高校卒業後、柔道整復師国家試験に合格し、1年後にははり師・きゅう師国家試験に合格。有限会社やまがたに入社後、静岡県東部の接骨院、静岡市内接骨院に勤務し学園みずほ接骨院で院長を経験後、2022年3月にMARK IS 静岡にてミツカル接骨院を開院。現在は接骨院にて接骨業だけでなく鍼灸施術、ちびっこはり(子ども向け)と幅広い施術を行う。
保有資格
柔道整復師、はり師・きゅう師、認定卒後臨床研修指導柔道整復師認定、ちびっこはり勉強会修了
電話予約は
こちら
電話予約は
こちら
TOPへ戻る
TOPへ戻る